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川西駅前おおさわ心療内科
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 第3回   新しいお薬と古いお薬ってどちらが良いの? 

 第3回   新しいお薬と古いお薬ってどちらが良いの?

「新しいお薬が出ました!」と聞くと誰もが期待する嬉しいニュースと思います。
特に近年は分子標的薬の分野で新しいお薬が多く誕生しています。

では一番新しいお薬が一番良いお薬なのでしょうか?
そうであればとても簡単ですが、1000年以上前に考案された漢方薬が今も用いられていることを踏まえるとお話はそこまで簡単ではないかもしれません。

それでは新薬と従来のお薬を比べてみましょう。



・新薬
新薬はこれまでにない「新しい効果」が期待できる反面、しばらく使ってみないとわからない「未知の副作用」が将来的に生じる可能性があります。 そうした安全面も考慮し新薬は発売後1年間は基本的に2週間しかお薬が出せないなどの制限があります。



・従来のお薬
従来のお薬はすでに効果も副作用も多く知られているため、お薬を出す医師としても効果の見通しが大体ご説明できることや副作用の対処法も熟知しているというメリットがあります。 お薬の値段が安いこともメリットの1つかと思います。



・私の経験
私は精神科指導医としての経験がありますが、専門医になるための研修を始めたばかりの先生の中には「よくわからないけど新しいお薬がなんとなくいいかな?」と安易に考えてしまう先生も時折見られました。
しかし、私が治療したケースではこのような例もありました。
20代でうつ病になり当時はクロミプラミン(三環系抗うつ薬)で治療を受けて回復しました。その後しばらくうつ病は再発しなかったのですが60代になって再発してしまいました。 その際に私が担当させていただいたのですが、過去の経過やお薬の内容、今の症状をしっかりお聞きした上で最近では使うことが少ないクロミプラミンを取り寄せて治療したところ無事に回復されました。

結局は最適なお薬にたどり着くには「患者様の症状や経過を経験や知識が豊富な医師がしっかり聞いてお薬を選ぶ」という基本に尽きると思います。 (もちろん新薬がその患者様にとって相性がいい場合には新薬をご提案します。)
当院は精神科専門医が患者様の症状を丁寧に伺った上で、患者様の意向を尊重した最適な治療をご提案いたしますのでどうぞ安心して受診いただければと思います。

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